自宅介護は気が抜けない
30代HN:さかな
私の祖母が86歳の時に亡くなるまでの約半年が自宅介護状態でした。祖母はバスを降りる時に転んでしまい、大腿骨頚部骨折をしたことがきっかけで入院し、ベッド上で長期間安静のために寝ていることが多くなったことがきっかけで、入院中の時期から認知症の症状が徐々に出始めました。
骨折の方がだいぶ良くなってきたので久しぶりに退院をして自宅に帰ることになったのですが、認知症の症状は変わらずそのまま続いていました。
徐々にトイレに間に合わなくなるようになりおもらしすることもありオムツを使い始め、亡くなる3か月前位から寝たきりで完全に排泄はオムツになりました。
退院直後は普段は特に何も問題なく、普通の老人と同じように静かに自室で民謡のレコードなどを聞いて過ごしていました。まだ動けたある時、突然母に向かって財布からお金が無くなったんだけどあんたが盗ったんでしょ?返しなさいよ!と言う風に突然怒り始めたことがありました。当然母は身に覚えがあるはずもなく、何とか祖母をなだめてその時は事なきをえましたが、その後も何度もお金が無くなったと言ってくるようになりました。
またある時は深夜2時位に変な臭いがしておかしいなと起きてみると、祖母が台所で魚を焼いている姿がありました。こんな時間にどうしたの、何でこんな時間に魚を焼いているの?と聞いても、もう朝なんだから起きて朝ご飯を作っているんだよと言って聞きませんでした。
昼と夜の時間の感覚も良くわからなくなってしまったようで見当識障害のような症状も出ていました。何かおかしなことを言っているだけなら害はないのでいいのですが、このように火を使って何かしてしまって怪我をしたりするような危険があると困るので母は付きっきりで祖母を監視し続けなければならず、母を気の毒に感じてしまいました。
父は仕事、姉と私は学校があったので実質母一人が日中は祖母についていることになってしまいます。祖母はたまたま半年で死去しましたが、これがもし何年も続いていたら家族の精神的肉体的負担は相当だとほっとしてしまった自分がいます。もっと気軽に預けられる安価のショートステイのような老人福祉施設が沢山あれば家族の負担はもっと少なくなるのにと心から思います。